アイデアのつくり方 ジェームス・W・ヤング

今井茂雄訳 阪急コミュニケーションズ(88.4.8)

 

この本は、著者がシカゴ大のビジネススクールにて、広告を選考する大学院の学生たちに講義したのち、2~3の広告界で活躍している実務家の集まりで話したことを、書籍化したものです。

 

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どんな技術を習得する場合でも、学ぶべき大切なことはまず第一に原理であり、第二に方法である。(P25)

 

イデア作成の基礎となる一般的原理には、大切なことがふたつある。(P28)

イデアとは既存の要素の新しい組み合わせであるといふこと。新しい組み合わせを作りだすには、事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の習性が必要であること。

 

そして方法、あるいは技術は5つの過程を経る(P33)。

1.資料収集の段階、資料とは(製品と消費者にかんする)特殊資料と、(人生とこの世の種々様々な出来事についての)一般的資料の二種

2.資料を咀嚼する段階

3.課題を放棄し、自分の創造力や感情を刺激するものへと心を映す段階

4.アイデアの誕生、いわゆるユーレカ!の段階

5.現実の有用性に合致させるため、そのアイデアを具体化し、展開させる段階

(多くのいいアイデアが陽の目を見ずに失われていくのはこの段階)

 

1の段階の、一般的資料の貯えにかんして。(P56)

経験を直接的間接的に絶えず広めてゆくことはアイデアを作成するどんな職業にも役立つ。

 

言葉はアイデアのシンボルなので、言葉を集めることによって、アイデアを集めることもできる。(P62)

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小著で本編読後は物足りない印象もありがちですが、続く竹内均氏による解説がその渇きを潤してくれます。これは実は生煮えだった理解を懇切丁寧に消化吸収させていただいた満足感だったのかもしれません。